SX-70 FOREVER BLOG

・シグネット35について

ボルシー&シグネット

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みなさん、こんばんは。タドコロです。
今年は一台ずつスポットを当ててカメラを紹介していこうと思っているのですが、どーーーしても、最初にみなさんにご紹介したいカメラがあります。
それは50年代のアメリカのカメラ『シグネット35』と『ボルシー』です。

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「Kodak Signet35」      「Bolsey」

いわゆる、”古き良きオールドアメリカン”の雰囲気が漂います。


コロンとした丸み、小さい手の平サイズ、アールデコ調のデザインと色使いなどなど・・・
まず心を惹かれるのが何といっても、このかわいらしい見た目です。

実際、『かわいくなきゃ持ち歩きたくない』なんていう人もいる位、カメラのルックスって重要なポイントなんです。確かに、かっこわるいものは持ち歩きたくないですよね。
逆に好きなカメラって、撮らなくても持ち歩いてるだけで心がウキウキして楽しいものですよね。



ルックスだけでも楽しい気持ちにさせてくれるこの2台のカメラですが、見た目に似合わず?肝心の写りの方も撮る人を充分に楽しませてくれます。

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正統派のカメラマニアをも唸らせる程キレイな写りを見せるシグネット。

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ちょっとこってり、グルグルボケ、という面白い特徴を持つボルシー。

この2台を使うと写真を撮るのが楽しくなりますし、現在は製造されないレンズを使っていたり、特殊な構成のレンズを使っているので、その写真の仕上がりは改めて”フィルムカメラを使う意味”というものを感じさせてくれるカメラ達です。

取り上げられる事の少ないカメラ達ですが、この機会にみなさんに知っていただき、一人でも多くの人にこのカメラ達の良さを知ってもらえたら、と思います。
まず第一弾として『シグネット35』をご紹介していきます。みなさんどうぞ気長にお付き合い下さいませ。

シグネット35『持って良し!』

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こんばんは。タドコロです。

今日は前回お話しした通り
『シグネット35』
というカメラを紹介したいと思います。
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このカメラはアメリカのKODAK社が1951年〜1958年に製造したコンパクトカメラです。

手の平サイズのコンパクトさと、カワイらしいデザインが、まず目をひきます。
"ミッキーマウス"という愛称でも呼ばれる、愛嬌のある顔立ちが特徴です。
(個人的にはクマにも見えなくないかな?と思いますが、アメリカだから"ミッキーマウス"で良いのでしょう)
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左:耳の部分でフィルムの巻き上げ/巻き戻しを行ないます。
右:目の部分で被写体との距離を測ってくれます。



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左:レンズ上部の赤いロゴ
右:商品名がプリントされた革
細部にわたる作り込みから、当時のコダックのこだわりが伝わります。



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露出ガイドも付いてるので、安心。
金属製のボディはしっかりと作られていて、堅牢性が高いです。
全体に丸みがあるボディは軽すぎず、それでいて重すぎずの重量でホールド感に優れています。


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ストラップを付けてもカワイイ。
どこかアールデコの名残を感じさせるようなデザインは、それだけでもとても絵になります。


・・・と、見た目がとてもカワイくどこにでも連れて行きたくなる、愛嬌たっぷりのこのカメラ。

でも実は、このカメラで本当に特筆したい部分は、
『写りの良さ』
なんです。意外ですかね。

シグネットに使われてるエクターというレンズは
「シャープで豊かな描写の銘レンズ」
と昔から謳われ、多くのカメラマニアも絶賛するその写りは確かに一度味わうと忘れられない程です。


その写りとは・・・次回へ続く(ハードルあがり過ぎたかも?)

シグネット35『撮って良し!』

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こんばんは。タドコロです。
今日も引き続き『シグネット35』のことについて。

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前回『写りが素晴らしい』といった旨の予告をさせていただきましたが、実にその通りなんです。このカメラで撮った写真は、本当に気持ちがいいんです。

実際に撮った写真を見てみると、なんと言うか、美しいんです。
キラキラ光って見えるんです。まるでそこに在るかのように見えるんです。
ん〜。うまく表現ができないのがもどかしいのですが・・・

もし一言で表すとするなら、
『空気を切り取るカメラ』
とでも言いましょうか。

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そこにある景色をそんまま切り取って、写真に収めました。
そんな感じなんです。

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光の明暗のコントラストが実に柔らかく、
彩度も不自然に高過ぎず色味の表現が素直で、
ごく自然な”見たまんま”に近い描写をします。

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繊細な筆で丁寧に描いたような柔らかさ、
細いながらもしっかりと描かれた線、
それが相まって、柔らかいのに非常にシャープな表現をしてくれます。


この描写は、日本人好みのものだと思います。
繊細な写りだけで言えば正直「このカメラ、本当にアメリカ製なの?」と疑ってしまいたくなります。(失礼ですけど)




・・・などと、良い事しか書いていませんが、でも本当なんです。
実は”シグネットに使われてるレンズ”に写りの秘密が隠されているのです。


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当時のコダックの中でも最高級レンズのみに与えられた称号が『エクター』と言います。
このエクターレンズは現在では使われなくなった素材で作られたそうです。
現代では使われていないレンズだから、写りも違う・・・納得です。



個人的には特に、光の質感を美しく再現してくれるカメラ、という感想です。
被写体をこんなに柔らかく自然に描いてくれるカメラは少ないのではないでしょうか。
初めて使って現像された写真を見た時に、その風合いにビックリして完全にやられちゃいました。


見た目かわいく『持って良し!』
繊細な写りは『撮って良し!』

の優れたカメラなのですが、さらに、このカメラは操作方法まで楽しいんです。
まさにスローカメラと呼ぶにふさわしい、その操作方法。
これがまた”写真を撮る”という行為を楽しませてくれるんです。


シグネットは『使っても良し!』


待望の操作方法については、また次回へ・・・



シグネット35『取扱説明書』

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●各部の名称●
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『前面』
1.巻き上げ(WIND)ダイヤル
2.巻き戻し(REWIND)ダイヤル
3.フィルム残数カウンター
4.シャッター
5.チャージレバー
6.シャッタースピード
7.絞り
8.ピントダイヤル
9.オープンレバー

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『裏面』
10.ファインダー
11.露出板
12.巻き取り解除レバー



●フィルムの装填方法●

・裏ブタの開け方
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オープンレバーのポッチを押しながら、レバーを下にスライドしてロックを解除します。
思いのほか勢いよく裏ブタが開きますので、裏ブタは左手で押さえておいて下さい。
裏ブタは外れて全開します。

・フィルムのセット
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巻き戻しダイヤルを引っぱり、フィルムをセットします。
巻き上げ側の支柱に隙間があるので、そこにフィルムの先端を差し込みます。
巻き戻しダイヤルを戻します。

・裏ブタの閉め方
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露出板の向きを参考にして上下の向きを確認し、裏ブタの凸部を本体の凹部に差し込みながらフタをします。
この時、裏ブタを垂直気味に差し込むと凹凸が入りやすいです。
思いのほか反発力が強いので左手でしっかり押さえながら、オープンレバーを上にスライドしてロックします。

・空シャッター
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巻き上げダイヤルが止まるまで、巻いて下さい。
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チャージレバーを倒して、シャッターチャージをします(シャッターを押すための準備です)
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シャッターを押します。

以上が空シャッターの手順です。

*空シャッタ−2〜3回繰り返したら、再度巻き上げダイヤルが止まるまで巻きます。
あとはフィルムカウンターをセットしたら、フィルムの装填作業は完了です。

・フィルムカウンターのセット
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フィルムカウンターをセットしたフィルムの枚数に合わせてセットします。
これで残りの撮影可能な枚数を表示します。



●撮影方法●
シグネット35の撮影は
『巻き上げ→シャッタースピード・絞り→チャージ→ピント→シャッター』
の順で行ないます。
ここまでの流れで『巻き上げ』は終わっていますので、次に『シャッタースピード・絞り』を設定します。

・『シャッタースピード・絞り』
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撮影状況に応じたシャッタースピードと絞りをセットします。
シャッタースピード : B   25   50   100   300
絞り(F値) : 22  16   11   8   5.6   4   3.5 

*シグネット35には露出板が付いていますので、不安な方は露出板を活用して下さい。
露出板の使い方は後でご説明しています。

・シャッターチャージ
チャージレバーを倒してシャッターチャージをします。

・ピント合わせ
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ピントを合わせたい被写体に向けてファインダーを覗き、ピントダイヤルを回しながら中央の三角形内で画像のずれを修正します。


・シャッター
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心の準備ができたら、シャッターを押します。



●巻き取り方法●
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撮影が全て終わったら巻き取り解除レバーを倒しながら、巻き戻しダイヤルを回してフィルムを巻き取ります。

以上で一連の流れは終了です。
新しくフィルムを入れる場合は、冒頭からの動作を繰り返します。




◎露出板の使い方◎

・露出板の見方
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絞り(F値) : 3.5   4   5.6   8   11   16   22
シャッター : 300   100   50   25
天気 : BRIGHT SUN = 晴れ    HAZY SUN =薄曇り    CLOUDY SUN = 曇り
フィルム感度 : SUPER-XX = ISO200 PLUS-X = ISO100  PAN-X = ISO50


☆例えば”ISO100のフィルムを薄曇りの天気で使用した”場合の合わせ方

・感度設定
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下段可動板を動かし三角形の矢印にフィルム感度を合わせます。
(この場合は、ISO100なのでPLUS-Xに合わせます)

・天気設定
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下段可動部中央の白黒の境目のラインに上段可動部の天気を合わせます。
(これは大体の感覚でOKです)

・シャッタースピードと絞りの組み合わせ
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すると、状況に適したシャッタースピードと絞りの組み合わせがいくつか表示されました。
【F5.6/300】 【F11/100】 【F16/50】 【F22/25】 
←ボケ味が楽しめる              全体にくっきりした写真→      
←シャッター速い                   シャッター遅い→

・シャッタースピードと絞りの設定
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お好みの『シャッタースピードと絞りの組み合わせ』で設定します。



◎補足◎
☆ISO400で使う場合
・時代背景から、露出板にはフィルム感度の設定がISO200までしかないので、ISO400のフィルムを使う場合は少しだけコツがいります。

そのコツとは
ISO200で設定してた組み合わせよりも『絞りの値(F値)を一つ隣の大きい値にする』
ことです。そうすると、ISO400に適した組み合わせになります。

・具体例
ISO400で薄曇りの時
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→ISO200で薄曇りで設定する【F8/シャッター300】
→実際にはISO400なので”F値を一つ隣の大きい値にする”【F11/シャッター300】

『シグネット35についての個人的見解』

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こんばんは。タドコロです。

3回にわたり『KODAK SIGNET35』についてお伝えしてきましたが、
いかがでしたでしょうか?
興味のない方には非常に退屈だったかもしれませんが、
僕もたまにはカメラ屋さんらしいお仕事をしてみたつもりです。

ずっとお客さんから紹介ページの要望をいただいていたので、形にしてみました。
次は“ボルシー”というこれまたかわいいアメリカのカメラを紹介していきますので、辛抱強くお付き合い下さい。
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評判がよければ、他のカメラでも続けていきたいと思っています。
コメントでも掲示板でも店舗でも、みなさんのご感想をいただけたら幸いです。


最後に僕自身のシグネットに対する感想を書かせてもらいますので、興味のある方はお目汚し下さい。



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僕がこのカメラを使ってみて、まず最初にビックリしたのが”写りの良さ”でした。
何の気なしに写真を撮って、何の気なしに現像された写真を見た時の
『こんな外見なのに、なんて繊細な写りをするカメラなんだ・・・!!』
という驚きの感情は今でも忘れられません。

こんなにもトイカメっぽいデザインで・・・
しかも大雑把な人種のアメリカ製で・・・
50年以上前のカメラで・・・
テキトーに撮ったのに・・・(コラコラ)

そりゃ正〜直っ、写りは全然期待してなかったですよ。
だって”見た目がミッキーマウスみたいで可愛くて。
撮ってるぞ!っていうアナログな操作感が面白くて。”
そんな感じのカメラだと思ってましたから。


でも、『本当にこのカメラはこんなに写るの?』っていうのが
ど〜にも信じきれず、もう一回撮ってみたんです。
そう簡単には信じませんよ、僕は。

最初の撮影ではノスタルジックな写りのソラリスを使ったのですが、
それでもすごく滑らかな印象があったので、
次の撮影は自分の中では一番ナチュラルなフィルム、
センチュリアを使ってみました。
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そして現像されたセンチュリアの写真を見て、
改めて『感動』と『コイツは間違いない!』という確信を持ちました。



それからは、もう完全にトリコですね。
今ではどこに行くにも連れ歩いてます。
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シグネット35は、何でもかんでもやってくれるカメラではないので、
決して便利なカメラではありません。
かと言って、露出やらピントやら全ての判断を
こちらに委ねるようなことをするわけでもありません。

露出板で露出のヒントを、
レンジファインダーで被写体までの距離を、そっと教えてくれます。
これから撮るものの仕上がりを僕に想像させてくれます。

コイツと二人で相談しながら、一緒に撮影している。
そんな気持ちにさせてくれます。
この付かず離れずの距離感が、非常に心地よいです。
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後はシャッターさえ押せば、コイツがステキな写真を切り取ってくれる。
そんなカワイイやつなんです。



さらに、光の強いところやスローシャッターなどの悪条件でも、
サラッとやってのけちゃいます。
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そんなワクワク感と信頼感が、ますます好きにさせてくれます。
もう親バカ状態です(笑)
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スローな使い勝手、
きめ細かな美しい描写、
現像ができるまでのワクワク感。
その全てがフィルムカメラを使う意味を、
シグネットは改めて思い出させてくれました。

これは後から調べて分かったことですが、
”現在では作られなくなったレンズ=だから写りが違う”
という特性もまた、クラシックカメラを使う意味と楽しさを教えてくれました。

良くも悪くもおおざっぱで頑丈なアメリカ製なので、メンテンスも安心ですし(笑)
でも実用品ですから、そこも大切な部分です(真面目)

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お店にはたくさんのカメラとサンプル写真もありますので、
興味をお持ちになられた方がいらっしゃいましたら、
ぜひ遊びに来て下さい。
少しですがfotologueにも載せてます。参考にして下さい。
(やっぱり質感は実際の写真の方がいいのですが・・・)
持った感じとかシャッター音とかも、良いんですよぉ。

商品ページはこちら





シグネットのケース

こんばんは、タドコロです。

昨日はボルシーのケースについて紹介したので、今日はシグネットのケースを紹介したいと思います。
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ちょっと渋いような気もするけど、みんなからは「可愛い」とけっこう好評なケースです。


革の厚みはボルシーのケースもよりも薄手ですが、一針一針手縫いですごく丁寧につくってあるのが分かります。古着の世界でもそうだと思いますが、この時代のアメリカの革製品は作りがしっかりしていて良いですね。
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露出ガイド板もしっかり見えて安心です。



また、シグネットはケースが無くても直接カメラにストラップを着ける事もできます。
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金具の先っぽに着けるようになっています。
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この取り付け部がこの形状に合うストラップなら何でもOKです。

お好きなストラップを着けるのもいいですね。
僕もケースを手に入れるまでは、上の写真のストラップを使っていました。
(写真のストラップはこちらから





・・・“珍しいシグネット”が入りました。
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軍用 とか ミリタリー とか呼ばれるタイプのシグネットです。
かな〜〜〜りのレア物です。
今のところ販売予定はありませんので、店頭にひっそりと飾っております。
実物をご覧になりたい方は、お店に遊びに来て下さいませ。



商品ページはこちらから。

シグネット35特殊部隊

こんにちは、元「毎日カメラーズ」のタドコロです。
この度ついにソロデビューすることになりました。
今日からはピンで、がんばっていく所存です。

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さて、ごく一部の方にはワタクシのシグネット35好きは有名な話ですが、
今日は挨拶代わりに、ベリースペシャルなシグネット35をご紹介します。









:::::::::::::::::::: KODAK Signet35 U.S.AIR FORCE ::::::::::::::::::::
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アメリカ空軍に採用された、シグネット35です。
通常のシルバーモデルと違い、ブラック塗装がいかしたモデルです。
まさに「精悍」という言葉がぴったり来る格好良さです。

【商品名ページを見る】






:::::::::::::::::::: KODAK Signet35 SIGNAL CORPS U.S.ARMY ::::::::::::::::::::
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こちらはアメリカ陸軍通信隊に採用されたバージョンです。
金属がブラックで革がオリーブ色になっています。
いかにも「ミリタリー」という色使いで、空軍モデルとはまた違った男っぽさがあります。

【商品ページを見る】





どちらもかなりのレア物です。
実物を見た事のない人も多いんじゃないでしょうか。
店頭に飾っているので、実物を見たい方はご来店下さい。

【実店舗情報を見る】

もともとかなり珍しいカメラですが、これだけのコンディションのものは
一度売れてしまうと、次いつ出会えるか分からないですね。
2台まとめて紹介できるうちに記事にしておけて良かったです。

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