こんばんは、タドコロです。
あのコーナーの番外編、やっちゃうよ!

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『フォーカルプレーンの甘い罠』


一般にハッセルブラッドと言えば大前提として、
500Cや500C/M、503CXなどの500シリーズを指す場合がほとんどです。

500シリーズはレンズシャッター式カメラで、
シャッター幕や調速機構がレンズ内部に収納されております。

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ということは言ってみれば、500シリーズのボディはただの「箱」なんです。
ものすごく噛み砕いて乱暴に言ってしまうと、ですが。






一方で、フォーカルプレーンシャッターのハッセルが存在します。
2000/200シリーズと呼ばれるカメラ達です。

フォーカルプレーン機は、レンズではなくボディ本体にシャッター幕や調速機構が収納されています。
レンズ側にシャッターは必要ありません。
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35mmフィルムなどの一般的な一眼レフと同じ仕組み、と言えば伝わりやすいでしょうか。









2000/200シリーズ(フォーカルプレーン)の大きな魅力の一つは、
専用の「Fレンズ」群にあると言えます。

レンズにシャッターを組み込む必要が無い分、
スペースを有効に使えることから、性能が高いレンズが多いことが特徴です。

例えば、おなじみプラナー80mm
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左)CFレンズは最短撮影距離が90cm   右)Fレンズは最短撮影距離が60cm


他にも500シリーズの、CレンズやCFレンズなどと同じ、
50mmディスタゴン・150mmゾナーがラインナップされていますが、
・50mmディスタゴンは最短撮影可能距離が短かく、開放F値が明るい
・150mmゾナーは開放F値が明るい
と、Fレンズは500Cシリーズのレンズの一歩上をいってる感じです。









その、魅惑のFレンズ群の中でもひと際輝くのが
「プラナー 110mm F2」 
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ハッセルブラッド中、最高に明るいレンズです。
中判の全レンズの中でもトップクラスの明るさです。


「6x6のフォーマットでF2」という条件の被写界深度の浅さは特筆もので、
このレンズで撮った写真の立体感を見た時は、得も言われぬ感動を覚えたものです。

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ハッセル使いなら一度は手に入れてみたい、と言われる憧れのレンズです。

フォーカルプレーンを手に入れたから欲しくなってしまうのか、
これを使いたいがためにフォーカルプレーンに手を出してしまうのか。

それは誰にも分かりません・・・









フォーカルプレーンは実用面においても、大きなメリットがあります。
それは「シャッタースピードが速い」ことです。

レンズシャッターは機構上、1/500が最高速の限界となりますが、
フォーカルプレーンは、機種にもよりますが最速1/2000というシャッタースピードが使えます。

シャッタースピードが1/500から1/2000まで2段階速くなるということは、
その分、絞りを2段階開放にして撮影することができます。

例えば、晴天時にISO100のフィルムを使って撮影したとしましょう。
この時のEV値は14くらいです。

この条件下で、できるだけシャッターを速くして開放で撮ろうとした場合、
レンズシャッターは「1/500 の F5.6」が目一杯ですが、
フォーカルプレーンシャッターなら「1/2000 の F2.8」で撮れるようになるわけです。
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晴天時でも絞り開放にして、ボケ味の大きい写真を楽しめる。
それもフォーカルプレーンの大きな魅力です。








ちなみにフォーカルプレーン機は、専用のFレンズだけでなく、
旧来のCレンズやCFレンズ・CFEレンズを使えます。

CFレンズのFって何だろう?と思ったことのある方、いませんか?
「F」はフォーカルプレーンにも対応してますよ。の意味です。
フォーカルプレーンシャッターを使用する時は「F」ポジションに設定します。
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Cレンズを使う時はカメラボディ側の設定を「C」にします。
レンズシャッターを活かした撮影方法になるので、いつもの操作方法と同じになります。
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(Cポジションのない機種でも、ボディの設定をBにすることで対応できます)


Fレンズを持っていなくても、500シリーズのサブ機として使うことも可能なのです。
(マガジンも共有です)






ワタクシの場合。

2000FCを見つける→興味本位で、とりあえず買ってみる→Fレンズは持っていないので、CFレンズを装着して使う→シャッター速いので、開放で撮れる→2000FCが好きになる→こいつをもっと活かそうと考える→110mm F2を手に入れる

こういう経路を辿り、いまやすっかりメイン機として活躍してくれています。
だってこれ1台あれば、どんなレンズでも使えるんですもん。
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あと、多重露光が簡単にできる切替スイッチが付いていたり、
503CWのように長いミラーを使っているので、望遠レンズを付けてもミラー切れの心配がなかったり、
いろいろとメリットがあるんです。



と、このようにとても魅力的なフォーカルプレーンですが、
修理が必要になった時には、修理費が購入金額を上回ったり、修理不可の場合もあるので、
その辺の事情を汲める方にのみ、お勧めするモデルです。

そのリスクをも超越するくらいの魅力は持っているので、
ぜひみなさんにも楽しんでいただきたいのですが・・・








ハッセルブラッドの最初のカメラである1600F/1000Fはフォーカルプレーン機でしたが、
1957年に500Cの発売とともに生産が中止され、フォーカルプレーン機はしばらく生産されていませんでした。
そして20年間の沈黙を破り、1977年に満を持して登場したのが2000FCというフォーカルプレーン機。
その後はレンズシャッター500シリーズと共に、ハッセルの主力ラインとなりました。

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500シリーズとは似て非なる、もう一つのハッセルブラッド、
フォーカルプレーン機の魅力を堪能してみてください。




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